冬に役立つ内窓の効果、メリット・デメリット

本格的な冬を前に、「内窓」リフォームのお問い合わせが増えています。断熱効果はご存じの方が多いかもしれませんが、他にどのような効果があるのでしょうか。また、設置することで何か不具合はあるのでしょうか。施工前に知っておきたい、「内窓」のメリットとデメリットをご紹介します。【イエソト広報・中尾】

内窓とは

「内窓」は既存の窓はそのままに、室内側に新たに取り付ける窓のことをいいます。「二重窓」「二重サッシ」と呼ばれることもあります。ペアガラス、二重ガラスと混同されがちですが、窓のガラスが二重というわけではなく、窓サッシごと二重に取り付けるのが「内窓」です。

既存の窓はそのままに室内側に取り付ける内窓。

内窓のメリット

断熱性能

お住まいの中で熱の出入りが多い場所は、「窓」です。内窓を設置すると新たな空気層が生まれ、室内の暖められた空気が外に逃げづらくなります。また、内窓のサッシは一般的なアルミサッシとは異なり樹脂製です。樹脂は熱伝導率がアルミの1/1000と低いため、室外の冷気が室内に伝わりにくくなります。

内窓で生まれる新たな空気層

防音効果

内窓を取り付けることで気密性がアップし、音の出入りが軽減されます。

外窓＋インプラスで-40dBの遮音性能

楽器やペットの鳴き声が漏れるのを防ぐために、内窓を設置される方もいらっしゃいます。

ピアノの練習も心置きなくできますね。

結露軽減

室内の空気が冷やされた窓ガラスやサッシに触れることで、結露が発生します。結露は見た目に不快なだけでなく、お住まいを傷める原因、カビやダニ発生の原因になることもあります。内窓を設置することで、冷気が伝わりにくくなり、結露の発生を抑えることができます。

結露をおさえて、すっきり快適に。

防犯効果

内窓をつけることで窓ガラスも施錠も二重になるため、窓をやぶられにくくなります。空き巣など不審者が目にしたときに、視覚的にも防犯効果の高さをアピールできます。

防犯対策にもなる内窓。

スピード施工

内窓は、たくさんの性能が期待できるだけでなく、施工性に優れているという特徴もあります。既存の窓を取り外すことなく設置するため、大がかりな工事は不要。お部屋の中で普段通り過ごしている間に施工完了します。大々的な室内リフォームのように、一時転居する必要もありません。

内窓は、スピード施工。1窓約1時間

お部屋の印象チェンジに

内窓をつけると、既存の窓サッシは見えにくくなります。好きな色の内窓を取り付けることで、お部屋の印象も大きく変わります。

インプラス引き違い窓　2枚建

内窓のデメリット

開閉が手間に

窓サッシが二重になるので、開閉も2回ずつ必要になります。換気したり出入りしたりする機会の多い窓では、少し手間になるかもしれません。

掃除が手間

窓サッシも窓ガラスも二重になる分、掃除の手間も増えます。特に、サッシの掃除は面倒に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、冬場は結露をふき取る手間がなくなるため、そのぶん楽になりますよ。

お部屋が狭くなる

内窓は既存の窓はそのままに室内側に取り付けるため、窓の形状によっては数センチ程度、室内側に窓が飛び出たような形になる場合もあります。ほんの少しのことですが、窓の大きさや場所によっては圧迫感が感じられることもあるかもしれません。

内窓の効果を高めるためのポイント

窓ガラスのタイプにこだわろう

内窓のガラスは、複数のタイプから選ぶことができます。用途や設置場所などに応じて最適なものを選びましょう。

例えば、断熱性能を重視するのであればLow-E複層ガラス（LIXIL インプラスの場合）がお勧めです。単板ガラスよりもコストは高くなりますが、高い断熱効果が期待できます。

LIXIL　インプラス　ガラスの種類

お部屋に合わせたデザインを選ぼう

デザインも複数あります。用途やお部屋の雰囲気に合わせて選びましょう。

ガラス片側に凹凸のついた単板型ガラス。断熱効果だけでなく程よい目隠し効果も期待できます。視線が気になる寝室や脱衣所などにも。

単板型ガラス

和紙調タイプの組子付き窓ガラス。畳のお部屋にも似合います。

和紙調ガラス（組子付き）

お住まい丸ごとリフォームする

断熱効果をより高めるために、1か所だけでなくお住まい丸ごと内窓リフォームするのがお勧めです。内窓はお住まいに合わせた受注生産なので、掃き出し窓のような大きい場所にも小窓にも設置できます。浴室用の内窓もあります。

インプラス　浴室仕様

まとめ

内窓は、断熱・防音・結露軽減・防犯などに役立ちます。窓の開閉の手間や掃除の面倒さなどのデメリットはあるものの、メリットの多さを考えると検討する価値は十分にあります。1日の簡単な工事で設置できるというのも嬉しい特徴です。効果をさらに高めるために、ガラス選びにもこだわりましょう。