住宅の外構に使われるコンクリートをよく見ると、表面の仕上がりにはさまざまな違いがあります。
つるっと滑らかなもの、少しざらざらしたもの、表面に石が見えているものなど、同じコンクリートでも見た目や手触りが異なることに気づく方も多いでしょう。
これらの違いは、施工時に行われる「仕上げ方法」によって生まれます。外構工事においてコンクリートの仕上げは、単に見た目を整えるための工程ではありません。滑りにくさや歩きやすさ、さらには日常の使い勝手にも関わる重要なポイントです。
本記事では、外構でよく採用される代表的なコンクリートの仕上げの種類を取り上げ、それぞれの特徴や外構での使われ方について解説します。
エクステリアでよく使われる3つの仕上げ
外構工事で使用されるコンクリートには、用途や目的に応じてさまざまな仕上げ方法があります。なかでも住宅の外構でよく採用されるのが、「金鏝仕上げ」「刷毛引き仕上げ」「洗い出し仕上げ」の3つです。
それぞれ仕上がりの見た目や機能が異なるため、場所や目的に合わせて使い分けられています。
金鏝仕上げ
金鏝仕上げは、金属製のコテ(鏝)を使ってコンクリートの表面を押さえ、平らで滑らかな状態に整える仕上げ方法です。コテで表面を押さえることでコンクリートの表層が締まり、つるっとした平滑な仕上がりになります。
表面がなめらかで見た目がすっきりするため、シンプルで整った印象になるのが特徴です。また、凹凸が少ないため汚れが溜まりにくい点も特徴の一つです。
刷毛引き仕上げ
刷毛引き仕上げは、コンクリートの表面がある程度固まり始めたタイミングで、ほうきや刷毛を使って細かな筋をつける仕上げ方法です。
刷毛を一定方向に引くことで表面に細い溝ができ、適度な凹凸が生まれます。この凹凸によって摩擦が生まれやすく、滑りにくい表面に仕上がるのが特徴です。
見た目はシンプルですが機能性に優れており、外構工事でよく採用される仕上げ方法です。
洗い出し仕上げ
洗い出し仕上げは、コンクリートの表面を水で洗い流し、内部の砂利や石(骨材)を表面に見せる仕上げ方法です。コンクリートが完全に固まる前に表面のセメント分を洗い流すことで、石が浮かび上がったような質感が生まれます。
自然石のような風合いが現れ、コンクリートでありながら素材感のある仕上がりになるのが特徴です。ほかの仕上げと比べても、意匠性が高い仕上げとして知られています。
外構部位ごとの適用例
コンクリートの仕上げ方法は、「どこに施工するか」によって滑りにくさや見た目、使い勝手などを考慮して仕上げが選ばれます。そのため、ひとつの仕上げだけを使うのではなく、場所ごとに適した仕上げを使い分けるケースも少なくありません。
ここでは、それぞれの仕上げ方法が外構のどのような場所で使われることが多いのかを紹介します。
金鏝仕上げは、表面が平らで滑らかに仕上がるのが特徴です。このため、物を設置する場所や設備の基礎など、平滑な面が求められる部分で採用されることがあります。
外構では、物置や室外機の設置スペース、カーポートの柱の基礎部分などで用いられるケースが見られます。
刷毛引き仕上げは、表面に細かな筋をつけることで滑りにくくなる仕上げ方法です。安全性が求められる場所に適しているため、日常的によく利用する場所で多く採用されています。
住宅の外構では、駐車場の土間コンクリートや敷地内の通路などでよく見られる仕上げです。
洗い出し仕上げは、表面に砂利や石が見える独特の風合いが特徴で、デザイン性を重視する場所で選ばれることがあります。
外構の中でも、住まいの印象に関わる場所で採用されることがあり、玄関まわりやアプローチなどに用いられるケースがあります。
それぞれの仕上げ方法と、外構でよく使われる場所の例をまとめると、次のようになります。
仕上げ方法
外構で使用される主な場所
金鏝仕上げ
設備基礎、物置設置スペース、室外機まわりなど
刷毛引き仕上げ
駐車場の土間コンクリート、通路、歩行スペースなど
洗い出し仕上げ
玄関アプローチ、庭の通路など
なぜ外構では刷毛引き仕上げが多く採用されるのか
外構のコンクリート仕上げの中でも、特に多く採用されているのが刷毛引き仕上げです。その理由の一つが、滑りにくさにあります。
屋外のコンクリートは雨などで濡れることが多く、表面が平滑すぎると歩行時や車の出入りの際に滑りやすくなる場合があります。刷毛引き仕上げでは表面に細かな凹凸が生まれるため、摩擦が増えて滑りにくくなるのが特徴です。
こうした理由から、駐車場や通路など多くの人や車が利用する場所で採用されるケースが多くなっています。
デザイン性を重視するなら洗い出し仕上げ
外構では機能性だけでなく、住まい全体の印象に関わるデザイン性も重要なポイントです。見た目のアクセントを重視したい場合には、洗い出し仕上げが選ばれることがあります。
洗い出し仕上げは、コンクリートの表面に砂利や石を見せることで自然石のような風合いを生み出す仕上げ方法です。素材感のある仕上がりになり、落ち着いた雰囲気や高級感を演出できるのが特徴です。
そのため、玄関まわりやアプローチなど、住まいの印象に関わる場所で取り入れられることがあります。
外構計画でコンクリート仕上げを選ぶポイント
外構でコンクリートを施工する際は、見た目だけで仕上げ方法を決めるのではなく、機能性や管理のしやすさなどを踏まえて検討することが大切です。
ここでは、外構計画で仕上げを選ぶ際に意識したいポイントを紹介します。
滑りやすさ
屋外のコンクリートは雨や水で濡れることが多いため、滑りにくさは重要なポイントです。特に人が歩く通路や車が出入りする駐車場では、安全性を考慮した仕上げが求められます。
表面に凹凸がある仕上げであれば摩擦が生まれやすく、歩行時や車の出入りの際も安心して利用しやすくなります。
見た目
外構は住まい全体の印象を左右するため、仕上がりの見た目も重要です。コンクリートでも仕上げ方法によって質感や雰囲気は大きく変わります。
シンプルで整った印象の仕上げもあれば、自然石のような素材感を楽しめる仕上げもあります。建物の外観や外構全体とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
メンテナンス
外構は長期間使用する場所のため、日常的なメンテナンスのしやすさも考慮したいポイントです。仕上げ方法によっては、汚れの付きやすさや掃除のしやすさが変わる場合があります。
日頃の手入れの負担を減らすためにも、使用環境に合った仕上げを選ぶことが望ましいでしょう。
コスト
コンクリートの仕上げ方法によっては、施工の手間や技術によって費用が変わることがあります。シンプルな仕上げに比べて、デザイン性の高い仕上げは工程が増え、その分コストが高くなる場合もあります。
外構全体の予算を考えながら、どの場所にどの仕上げを取り入れるか検討することが大切です。
まとめ
コンクリートの仕上げ方法にはそれぞれ特徴があり、適している用途や場所も異なります。外構計画では、滑りにくさや見た目、メンテナンス性、コストなどを踏まえながら、施工する場所に合わせて仕上げを選ぶことが重要です。
一つの仕上げだけを使うのではなく、駐車場や通路、アプローチなど、場所ごとに適した仕上げを使い分けることで、機能性とデザイン性の両方をバランスよく取り入れた外構づくりにつながります。