テラス屋根の「柱奥行移動」「桁移動」とは？メリットはある？

テラス屋根のカタログやサイトをみていると、標準タイプとは別に「柱奥行移動」「桁移動」という言葉がでてくることがあります。移動とはどういうことでしょう。標準タイプとは何が違うのでしょうか？【イエソト広報・中尾】

標準タイプのテラス屋根

いわゆる標準タイプ（固定タイプ）のテラス屋根は、屋根の先端の前枠部分に柱が固定された作りになっています。

標準（柱固定）タイプは屋根の前枠に柱が固定されています。

屋根自体の出幅や間口などはお住まいに合わせて自由に切り詰め調整できますが、サイズが変わっても柱の位置は前枠に固定されたままです。

屋根の大きさは切り詰め加工で調整できます。

「柱奥行移動」「桁移動」タイプのテラス屋根

「柱奥行移動」と「桁移動」は、どちらも同じ構造を指します。メーカーによって呼び方が異なるだけです。

「柱奥行移動」タイプには、標準タイプと違い柱の位置（奥行き）を調整できる部材がついています。

柱移動の部材がついたテラス屋根。柱よりも屋根先が前に出ています。

奥行きを調整して好きな位置に固定することができ、屋根が柱よりも前にせり出したような形に仕上げることができます。

YKKAP　ソラリア　柱奥行き移動タイプの構造

屋根自体の奥行きはそのままに、柱の奥行きだけ移動することができます。

テラス屋根は柱位置を選ぶことができます。

ただし、「移動」とはいえ一度施工した柱を後から自由に移動できるという意味ではありません。一度取り付けたテラス屋根を直すことは難しいので、どの位置に柱を建てたいかよく検討しましょう。

屋根はしっかり大きさを確保したいが干渉物があって柱が立てられない、そんな場合に「柱奥行き移動」タイプが便利です。

こちらは、玄関のひさし代わりに付けられたテラス屋根。玄関アプローチを覆うゆったりとしたテラス屋根ですが、柱は邪魔にならないよう門袖の内側に建てられています。

YKKAP　ソラリアF型　テラスタイプ

柱をテラス部分に建て、屋根を敷地ギリギリまで覆うように設置したテラス屋根。急な雨でもお洗濯物が濡れにくいので安心ですね。

YKKAP ソラリアF型　テラスタイプ

ベランダにテラス屋根を設置する場合、柱は手すり壁の内側（室内側）に設置します。この場合に標準タイプを選択すると、屋根の大きさがベランダよりも小さくなってしまうため雨水などが侵入しやすくなってしまいます。

柱奥行き移動タイプなら、ベランダ全体をしっかりと屋根で覆うことができます。

ValueSelect プレシオステラスR型　屋根タイプ

柱を移動するための移動桁という部材がついているため、標準タイプよりも価格が若干高くなります。

柱をお住まい側に移動する分、圧迫感が出てしまい空間が狭く感じられることもあります。

テラス屋根　ソラリア　F型　テラスタイプ単体

敷地に干渉物がない・価格重視したい場合には「標準」タイプ、干渉物がある・なるべく大きな屋根を確保したい・ベランダに設置したい場合には「柱奥行移動」「柱桁移動」タイプをお勧めすることが多いです。また、今回ご紹介した2つのタイプ以外にも、「柱無し」タイプもあります。柱奥行き移動タイプでも対応できない干渉物などある場合には柱無しタイプが便利です。

一口に「テラス屋根」といっても、デザインやカラーだけでなく柱のタイプまで選択する必要があります。サイトやカタログを見ても、最適なものを一つ選ぶのはなかなか難しいかもしれません。どんなテラス屋根が良いか迷ったら、ぜひエクスショップの無料現場調査をお申込み下さい。敷地の状況や干渉物の有無に応じて最適なタイプをご提案します！